年を重ねるとともに発症頻度が増加する帯状疱疹という病気、皆さんご存知ですよね。幼少時に水ぼうそう(水痘)にかかり、その際のウイルスがずっと体内の神経に潜み、加齢や疲労・ストレスなどを契機に再び元気となり、帯状疱疹として発症します。50歳以上の方で発症率が高くなり、80歳までに3人に1人の方が発症するとも言われています。院長は20代半ばに発症したことがあります(^^;。研修医上がりの時期、病院勤務で疲れていたのかも!
帯状疱疹の症状
体のある部分の半側に神経に沿って発疹とともに痛みがでてくるのが特徴で、ひどい方は全身に及ぶ水疱性発疹となる方もみえます。当初は痛みだけで数日たって発疹という方もみえます。多くの方は発疹と皮膚表面中心痛みですが、目の近くにできると角膜炎などから視力低下・失明の危険もあったり、耳の神経に起こるとめまいや難聴などが起きることも。そして、後遺症として有名なもので数か月から年の単位で発疹部のつらい痛みが続いてしまう(帯状疱疹後神経痛)ことがあり、50歳以上の方ではその可能性が2割に及ぶとも言われます。
予防のために
当院では以前より子供さんが定期接種で用いる「水痘ワクチン」を帯状疱疹発症予防のワクチンとしてご希望の方に自費で投与(保険適応ではありません)しております。現在では定期接種としてすべての1歳を迎えた子供さんに接種しているワクチンですので、安全性やこれまでの使用経験豊富という安心感があります。アメリカでの報告などでは発症予防率が50%ほど、帯状疱疹後神経痛の予防率は65%ほどといわれています。
2020年初めにこの領域に新たなワクチン、「シングリックス」が登場し、現在多くの医療機関で接種できるようになっています。当院でも接種可能となりました。水痘ワクチンとの違いは予防効果がかなり高くなるように免疫を強くする物質を加えていることにあり、そのため、接種部位の痛み・腫れが水痘ワクチンよりも強く出ることが多いこと、また接種は水痘ワクチンが1回接種に対し、シングリックスは2か月開けて2回の接種が必要です。またシングリックスのほうが費用が高額となります。
二つのワクチン比較で見やすいものが他の医療機関のサイトにありましたので、リンクでご覧ください。※リンク先大同病院さんには許可をいただいています! 大同病院予防接種センター 帯状疱疹ワクチンページへ
当院での接種費用(税込) 2024年4月より価格改定しています
「水痘ワクチン」 1回のみ 6,700円
「シングリックス」 1回 20,500円 × 2回 計 41,000円
※いずれも 50歳以上の方が対象です。
新城市では2023年8月より50歳以上で初めて打たれる方に公費助成が始まり、自己負担分は「水痘ワクチン」3,200円、「シングリックス」1回10,500円となります。
費用だけでいえば 従来の水痘ワクチンが 10分の1と安いですが、シングリックスの予防効果の強さ、持続時間は魅力です。
ご自身の価値観でお選びくださいませ。ご希望の方は事前予約が必要ですのでクリニックまでご連絡ください。